そうかリノベーションまちづくり啓発講演会「まちの学校」vol.26 -那須の大きな食卓Chusと地産のお土産「バターのいとこ」にみる事業スケールの話。ー
「まちの学校」は、リノベーションまちづくりに関わってみたい人や既に関わっている人が、今後の取り組みのヒントを得るための講演会です。
今回のまちの学校は、地域の方々とともに歩みながら、那須の銘菓「バターのいとこ」を生み出し、那須朝市を実店舗化させた「Chus」や持続可能なまちづくりの拠点「GOOD NEWS」などの複合施設を手掛け、事業を拡大してきた株式会社GOOD NEWS代表取締役 宮本吾一さんの講演です。
■【食から始まる、那須での壮大な事業ストーリー】
東京生まれの東京育ちである宮本さんは、もともと栃木県那須町に関係があったわけでなく、リゾートバイトで訪れたことから、この地での活動が始まったそうです。メルボルンで生活した経験から都市機能と自然の共存が可能と実感したことで、東京ではなく地方であれば時間も場所もあるため自由度があると考えた宮本さん。その場所を探している時に那須町に行き着いたそうです。
コーヒー屋台やハンバーガー専門店を手がけながら生活をしていく中で、那須には素敵な作物をつくる農家さんや酪農家さんがたくさんおられることを知り、「もっとこの人たちと他の人たちとの接点をつくりたい」と考え、「那須朝市」をはじめます。出店する方々と、朝市へ来る人達が交わり朝食を一緒に取ること等を通じて笑顔、会話が生まれていました。その光景が今でも大事にしている「一緒に食卓を囲む」という原風景になっているそうです。しかし、朝市の規模が大きくなるにつれて、自身も疲弊し、全員がハッピーではない状況が生まれてしまい、サイズ感の大事さを痛感されたそうです。当時のやり方が、限界にあることを感じたと同時にたくさんの人が一緒に朝食を食べる光景や朝市でのみんなの笑顔など守りたいものも見えてきて、それらをきちんと経済活動の中で生もうと考えたことがネクストステージである「Chus(チャウス)」に繋がりました。「Chus」では、農家さんの美味しい野菜が並ぶ「MARCHE」、その食材を使った料理を楽しめる「TABLE」、さらに宿泊機能もそろった店舗もあり、自分たちの大切にしたいことを守りながら且つ持続可能な状態が実現されています。
■【バターのいとこ~アップサイクルから生まれた那須の新たな魅力~】
「バターのいとこ」は酪農が盛んな那須のまちで生まれた、那須を代表する新たなスイーツです。バターをつくる際、牛乳からバターに加工できるのはわずか4%で残りの90%近くの無脂肪乳はスキムミルクとして安価に取引されます。加工過程で大量に発生してしまう安価なスキムミルクは脱脂粉乳に加工するか破棄するしかないもので、これは地元の酪農家を困らせている悩みの種でした。その点に着目し、スキムミルクをアップサイクルして生み出されたのが「バターのいとこ」です。「バターのいとこ」はすべての工程が手作業で行われています。地元酪農家の課題と新たな雇用の創出をアップサイクルより解決し、持続可能な那須の新たな魅力が創出されました。
■日 時 令和6年8月26日(月)14時30分~16時30分
■会 場 草加市役所 本庁舎 7階会議室 7A・7B (草加市高砂1-1-1)
東武スカイツリーライン「草加駅」東口から徒歩約5分
※当日は公共交通機関をご利用いただき、車でのご来場はご遠慮ください。
■参加費 無料 ■定 員 60名
■申 込 令和6年8月19日まで
■講 師 宮本 吾一/Miyamoto Goichi(株式会社GOODNEWS代表取締役)
1978年 東京生まれ
2000年 オーストラリアに1年滞在後、東京から栃木県那須町へ移住
2002年 リアカーをコーヒー屋台に仕立てた「リアカーコーヒーUNICO」を開業
2005年 ハンバーガー専門店「HamburgerCafeUNICO」を手がける
2010年 那須の生産者、事業者を巻き込み那須地域のマルシェ「那須朝市」を開催
2014年 マルシェから生まれた実店舗「Chus-チャウス-」を開業
2018年 酪農家と共同で開発した那須の新銘菓「バターのいとこ」を手がける
2022年 那須町にある5万平米の森に新しい施設「GOOD NEWS」を開業
チーズ工房と共同で開発したお菓子「ブラウンチーズブラザー」を手がける
2023年 自然・生物・人の良い循環から生まれた恵みでもある、日本のおいしい里山そざいを
使用したタルト「里山ワルツ」を手がける